かつて1980年代のアメリカ・カーター政権がアメリカ人の肥満が社会問題化したのをきっかけにマクガバン委員会を発足させ、世界の食事事情の調査に乗り出し、その結果、昭和30年代の日本の食生活が理想的であるとの結論を出しました。そこから、日本食ブームがおこったことはよく知られているところです。
にもかかわらず、日本はバブル経済の中で、豊かで恵まれていた食生活を見失い、自ら放棄してしまいました。そしていま、わたしたちの“食”をめぐる状況は、日本人がかって経験したことのないほどの混乱の真っ只中にあるといえます。
効率のみを追求したために起きた食材、食品の質の低下、本物を見極められぬほどの情報の氾濫、さらに味覚の幼稚化による食生活の変化など、生きる指針となるべき毎日の食事の基盤が大きく揺れ動いているのが現状ではないでしょうか。
「ア・ターブル99」はそうした状況に立ち向かうべく設立した、いわば「食文化向上推進委員会」とでもいうべきクラブです。「ア・ターブル」とは、フランス語で「さあ、食卓について!」「ごはんですよ!」といった意味合いを持っています。「99」は、世の中すべからく完璧はありえない、ということから名づけられました。
クラブのメンバーは、選び抜かれた食材を優れた料理人の技によって考え尽くされ調理された、本物の最高の味を体験しながら、プロフェッショナルな職人、料理人と交流します。
さらにメンバー同志がその輪を広げてゆくことで、日本の食文化をさらに発展させようというものです。食材の生産者、メーカー、飲食店オーナー、料理人、食べ手が、垣根を越え対等の立ち場で、互いに学びながら交流を図る文化サロンでもあります。
そこで「ア・ターブル99」は、ここに3つのスローガンを掲げます。
- “食”における本物をつねに探求し、食文化の質的向上を目指します。
- “食”における伝統に敬意を払いつつ、その財産を現代の食生活に生かします。
- わたしたちの味覚を洗い直し、五感を研ぎ澄ますことで、自らの健康及び家庭、社会の安全、平和を守ります。
本来、食事は心身を清め健やかにするためのものであり、磨かれた味覚で楽しむ美味しいものこそ身体によく効き、気持ちのよいものです。そのためにこそ美食(ガストロノミー)はあるべきです。
「ア・ターブル99」は、美味しいものを食べて素直に感動出来、共にそれを分かち合え、さらにその感動を外部へ向けて発信出来る、食いしん坊、オピンオンリーダー、食品企業、外食産業、食関連業界、メディアの方々の共鳴者を広い分野にわたって募り、日本の食文化向上に貢献しょうとするものです。
平成16年 3月吉日
代表 山本益博